私のタロットコレクションと、簡単なコメント。 画像は載せられませんが…。
タロット雑感。占いに対する私のスタンスも含めて。
リーディング遊び。
自分用のタロット勉強部屋。パスワードによる入場制限あり。
小アルカナの解説本を翻訳し自分なりに考察していくつもり。

家にあるタロットです。私のものと、だんなのものがかなり混ざってきてだんだんどっちの所有物か分からなくなっているところもあるのですが(^_^;;
全部使ってるわけじゃないので、理解の浅いデッキも(ほとんど?)ありますがご容赦ください。 あくまでも紹介程度ということで。

《マルセイユ系タロット》
メジャーなタロットといえば、大体ライダー・ウェイトとその傍流、マルセイユとその傍流、トート、といったところでしょうか。あと、独自解釈のニューエイジ系も多いですが。とりあえず、基本のマルセイユ系から。

Camoin 版 大沼忠弘氏が解説本を書いておられるものです。比較的最近「復元」されました。これまで一般的だったマルセイユとはちょっと一線を画すタロットで、最近の研究を元により正確な解釈を絵柄にきちんと反映させる、という意図の下に作られたようです。昔から残っている絵をそのまま使っているというわけではないので、カードは線も塗りも美しいです。独特のリーディング方法が提唱されています。
Grimaud 版 一番オーソドックスな版かと思われます。印刷や線の状態は悪くないと思うのですが、なにせ色数が少ない上にドギツイので、絵柄を楽しむには不向きでしょう。マイナーには小さくコピーライトが入っているので、カード裏では上下が分かりませんが、表を向ければ分かります。これは Camoin も同様ですが。
Burdel 版 線はややつぶれている感じもしますが、色は少なくても Grimaud ほどきつくないので、ぎらぎらした感じはしません。マルセイユなのでみんな似たような絵柄ですが彩色は Grimaud ともかなり違っていて、月のカードの虫がまっ赤でほんとにアメリカザリガニにしか見えないとかいうのもあります(笑) そのへんは、同じマルセイユといっても彩色の一つ一つに意味づけしている Camoin とは相容れないところでしょうね。
Dodal 版 パリ国立図書館に所蔵されているふるい版を印刷したもの。他のデッキとは違い、明らかに古い印刷のコピーなので、線は途切れ色は褪せたまま再現されています。それはそれで別の味ともいえるのですが、ちょっと読みにくいところはあるでしょうね。裏の模様で正逆分かります。てことは、どっち見ても分からないカードがあるのは Burdel だけかな。

《ウェイト系タロット》
ウェイトの流れを汲んだもの、というと膨大になってくるのですが、とりあえず先に直接的にウェイト版を基にしたものを。
ウェイト版はマルセイユと違って、マイナーが絵札であるところが段違いにとっつきやすいです。
ウェイトの出てくるちょっと前あたりから、結社系のデッキが多くなり、その兼ね合いでカードの順番が入れ替わったり名前が変わったりとかしています。一番大きいのは、マルセイユでは8番目が Justice で11番目が Strength だったのが、占星術との整合性のために入れ替えられたあたりでしょう。

Rider-Waite いちばんよく見かけるあの黄色い箱のやつですね。使用人口も多いでしょう。(Waite より Marseilles の方が使われている国も多いようですけど、日本ではやっぱりこっちかなぁ。)
よくあるサイズだと大きくてトランプのようにシャッフルするのが難しいのですが、私は少し小さい判を愛用しています。もっと小さいプチ版を使っていたときもありましたが、さすがにあんまり小さいと絵が小さくなりすぎてイメージが湧きにくいようです。
Original Rider 黄箱のライダーとほとんど変わりはないのですが、ちょっとオレンジがかったちょっとシックな色合いになっています。でもちょっと印刷の粒状感が強いので、お肌に湿疹ぽつぽつって感じに見えます(^_^;;
裏の模様は青いユリなので、それは黄箱のチェックよりきれい。
Universal Waite ライダー版の絵柄を、Mary Hanson-Roberts女史が(多分)色鉛筆で彩色してるみたい。普通のライダーより全然きれいで絵的にはこちらのほうがお勧め。ただ、表情が描き込まれている分、記号化された感じがしないので、それを占いやすいと思うか占いにくいと思うかは人それぞれかと。私はまだこれで占ったことはないですが、いつか使うこともあるかも。他のウェイト傍流よりはオリジナルに忠実なので、あまりオリジナルから離れたくないけどあの絵がいやという人には良いのでは。

《結社系タロット》
なんか変なくくりでくくってしまいますが…魔術結社関係者の作ったタロットということです。作者の魔術的な解釈が色濃く反映されているので、使用する上ではその思想に対する理解が必要です。

Golden Dawn イギリスの有名な魔術結社、Golden Dawn で使われていたタロットを、結社の一員であった Israel Reagardie 氏の指導の下に、Robert Wang 氏が描いたものです。絵は優しい雰囲気ですが、人物は絵的に好みが分かれるのでは。原案は GD 指導者である MacGregor Mathers で、このタロットの内容は秘儀であったため公開されたときは問題になったとか聞いたような。
The Fool が赤ん坊の絵だったり The Lovers がアンドロメダだったりと、かなり解釈が違います。8と11は、この時点で入れ替わっています。
魔術的カバラや錬金術の思想が取り入れられていて、カバラの生命の樹を描いたカードが一枚入っていて、裏は薔薇十字。
Thoth 悪名高い(?)20世紀最凶の(?)魔術師 Aleister Crowley の作ったデッキ。根強いファンが多いですね。色彩や、幾何学的なラインの美しさには圧倒されるものがあります。強烈すぎて生理的に受け付けない、という話もよく聞きます。私は好きなんですが、使うのはとても難しいです。
Crowley が GD 出身者であるため、GD の思想を取り入れている部分が多いのですが、彼なりの独自な世界も大きく広がっています。カードに割り当てるヘブル文字を、The Star と The Emperor で入れ替えた、というのは有名な話です。他にも、名前の変わっているカードはいっぱいあります。たとえばTemperance が錬金術的な面を強調して Art と名前を変えていたりするのですが、Art の絵は Mathers の下書きを参照していたらしいです。
これを使う場合、「トートの書」は必読。副読本が、「柘榴の園」「神秘のカバラー」「777」「法の書」あたりでしょうか。法の書は私も読んでないんですが(^_^;;
Oswald Wirth 大陸のほうの魔術結社関係者の Oswald Wirth の作ったデッキです。こっちのほうが GD 系よりは歴史が古いんですね。Eliphas Levi がタロットにカバラ的解釈を持ち込み、その思想を受け継いで Papus が「ボヘミアのタロット」という本を書くわけですが、そのときの挿し絵に使われたのが Wirth のデッキだったそうです。
Papus はのちの Waite にもかなり影響を与えているので、Waite が初期に所属していた GD の思想とともに、Waite のデッキの源流となっていると言えそうです。
このデッキでのカバラ的解釈は、GD のものとはまったく異なります。基本的に生命の樹のパスにメジャーアルカナを当てはめるわけですが、メジャーアルカナの並べ方が違うため、別物になってしまうわけです。

《その他のデッキ》 順不同。

Visconti 現存するタロットで、もっとも古いものとされているデッキです。元絵は15世紀に描かれたとされています。当時タロットが占いのために使われていたかどうかはちょっと疑問で、今このデッキを見ても、やっぱり絵と意味が結びつきにくいところがあるので、実用性には乏しいんじゃないかと思います。絵画的な美しさからして、観賞用にはもってこいです。
Gatti & I Cani Gatti も I Cani も、メジャーアルカナだけの小さなデッキ。すべてのカードが Gatti では猫、I Cani では犬の絵(エッチング)で描かれています。カードの紙は分厚くて、小さな書籍のようになっていて、リボンでくくってあります。とてもかわいい。
Hanson-Roberts
Tarot
Universal Waite を描いたのと同じ、Mary Hanson-Roberts 女史のデッキ。やっぱり色鉛筆かな?とてもやわらかい、サイズも手ごろなデッキです。マイナーが絵札だし並びもウェイト系なんですが、描かれ方が若干違っていたりするので、Waite と同じ解釈をそのまま当てはめるよりは、ちょっとカードに合わせて読んでやる必要がありそうです。
Whimsical Tarot 上と同じ作者のデッキ。おとぎばなしをテーマにしていて、絵がとっても可愛い。The Lovers が美女と野獣だったりして。
この人の絵って、人の顔が少々リアルなわりにはちょっと頭がでかくて頭身が小さいので、こういう童話とかの絵のほうが合うような気がするなぁ。マイナーも全部絵札なので、「このカードの元ねたは何の話だろう?」と考えながら見ると楽しいです。
Aquarian Tarot David Palladini の描いたカード。この人の描いたデッキ、あと New Palladini ってのがありますが、そっちはだんなが持っているらしいです(未確認)。
こっちは、人物アップで描いてあるカードが多くて、他の要素がかなり省略されているので、ちょっと読みにくいと思います。この人の絵が好きな人にはいいかも。絵札でウェイト系。私にはちょっとカードが大きいなぁ。
The Vision Tarot 実写3Dなデッキが一つぐらい欲しいかな、と思って入手したデッキ。入手して、カードを眺めて、しまったな、と思いました(^_^;; やっぱり違和感がかなりありました。私の場合。
マイナーは数札、並びはマルセイユ系みたい。
The Secret Tarots Marco Nizzoli という人のデッキ。全体のトーンが青系で、やや生気のない退廃的な印象のあるデッキです。線はきれいなんだけどねぇ、少々不気味な感もあります。マイナーは絵札ですが、Strength は11だったりします。
Arcus Arcanum
Tarot
ネットで小さい画像を見て、いい感じかも、と思って通販で買いました。手元に来て、しまったと思いました(^_^;; (そういうの多いなぁ。) 絵がちょっとアメコミっぽい感じです。人の顔が私はちょっと…。これもオール絵札だけど、Strength は11です。
The Prediction
Tarot
絵はとても好きなんですが…。タロット教科書3巻に出てくるデッキじゃなかったかな(うろおぼえ)。マイナーが数札なのや Strength が11なのはよいとしても、Strength の絵が女性とライオンではなく力士のバージョンなのがちょっと引っかかります。絵は好きなんですけどねぇ…。
The Destiny Tarot 絵が面白げだったので買ったのですが、箱を開けてみてカードの馬鹿でかさにびびりました(^_^;; 絵本みたいな装丁の解説本が付いてます。ウェイト系だけど、数札です。
The Alchemical
Tarot
錬金術のタロット。どういう理屈を当てはめているのかが知りたくて買ったけど、まだ解説書(英語)読んでません(^_^;;
あっさりした絵柄だけど、独特なデザインになっているので、勉強すると面白そうです。GD系とは全然違うんですけどね。マイナーのコートカード、Page の代わりに Lady になっています。
Tarot of
the Old Path
メーリングリストでご一緒してた方が使っていて、どんなのだろうと興味を抱いて買ってみたカードです。魔女術の影響を受けたカードみたいです。絵柄はとても華やかです。でもメジャーの名前がちがってたり描かれている象徴もかなり他のデッキと違うから、ちゃんと背景を理解してから使ったほうがよさそうなデッキです。 
The Arthurian
Tarot
これまた普通のデッキと全然違うデッキです。アーサー王のタロットですね。カードの名前が聖杯伝説の登場人物になっているので、話の内容を知らないと全く使えないです(笑) 以前どこかで、Death の代わりに描かれている小川の洗濯女がとても怖い、という話を読んで、どんなのか見てみたくなって買った、というしろものです。
タロットをやろうとする場合、神話に造詣が深くないと結構つらいですね。
Tarot of the Spirit 魔術色の強いデッキです。色彩豊かでイメージを喚起する抽象的な絵柄です。Thoth と同じ名前を使っているカードもあるので、影響を受けているのかも。
マイナーが独特で、スートは Fire、Water、Wind、Earth、コートカードは Father、Mother、Brother、Sister となっています。数札だけど、Thoth と同様、キーワードとイメージが描かれています。
The Haindl Tarot これまたちょっと Thoth の影響を受けているような感じのデッキです。でも、全然違うのは、マイナーの各スートをインド・北欧・エジプト・アメリカの神話に当てはめてるところでしょうか。メジャーにはヘブル文字とルーン文字と占星術記号、マイナーにはイーチンが書いてあったりして、何でもありな様相を呈しています…。絵柄もとても象徴が盛りだくさんに入っているので、これでやるのは大変かも。
The Medicine
Woman Tarot
ネイティブアメリカンの思想を基にしたデッキ。他のデッキとはかなり内容が離れていますし、背景となる思想にも馴染みのない人がほとんどだと思いますが、絵柄がとても具体的でマイナーも数字を追うごとに物語をなしているので、知らなくても入っていきやすいデッキかもしれません。デザインがなかなか魅力的です。
Ancestral Path
Tarot
これね〜。絵は前から気になってたんですが。魔女の家フェアで手に入れて中を見てみたら、笑った笑った。まぁタイトルは「祖先の道」ってことで、自我の目覚めのプロセスは、種族の発生と発展のプロセスと重ね合わせて見ることでより深く認識できる、というコンセプトだと思うのですが。マイナーがね〜。カップは聖杯伝説、杖がエジプトの死者の書、環はメノミニー族というインディアンの創造神話に基づいてるらしいです。で、剣が…アイヌと日本の神話なんですと。そのわりには侍とか忍者とか出てきます(^_^;; 日本人から見ればイロモノですが日本人が西洋風を真似てもこんな感じに見えるのかな〜〜。一見の価値はありますわ(笑) 8と11はマルセイユと同じ、です。
Goddess Tarot 前にタロットオフで使ってらっしゃる方がいて興味はあったのですが、あまりに普通のデッキと違うので購入は躊躇っていました。新しく安いポケット版が出たのでついに買ってみましたが、知らない女神がたくさん出てくるので実占に使うのは私には厳しいです。英語の簡単な説明がついてるんだけど、それを読む限りでは女神の特性をかなり一面的に捉えているようで、一つ一つの説明にはなるほどと思うのですが、他の側面を含めて包括的にその女神そのものをカードに当てはめるのにはちょっと疑問がありそうです。
それと、このデッキの美しさを楽しむのなら、やっぱり大きい版のほうがよさそう。
Songs for the
Journey Home
錬金術を取り入れた、私の所有の中では唯一の円形デッキです。ラミネート加工したくなるぐらい紙がやわなので、実用にはむきませんが、とても絵が好みで、大好きなデッキです。これまた他のデッキとは全然違った構成で、解説(英語)を読まないことには何にも分からないのですが、絵を見ているだけでも楽しくなり、私の宝物です。
私家版なのかしら? 一般の書店などで売っているのは見たことありません。魔女の家のタロットフェアで入手しました。
旧イヤぱんタロット 同人サークル Pandaful World で作ってらした、メジャーアルカナのみのデッキです。ラミネート加工。
新イヤぱんタロット Pandaful World の新作デッキ♪ イヤぱんらしさはそのままに、旧作より紙質も美しさも格段に向上して実用可能な作品に仕上がってます(笑) いやぁすばらしい。
だんなと共同所有でごめんなさい(^_^;;
The Stairs of
Gold Tarot
by Tavaglione
★NEW★
古本屋で思わずそそられて買ったデッキ(笑)
なかなか珍妙な(?)デッキです。ヘブル文字とその数や、サンスクリット文字、生命の木のパスやら占星術的シンボルやらなにやら絵の周りに描かれていて情報量は多いのですが……
メジャーアルカナの絵柄はおおよそライダー系(でもThe Lovers なんかはマルセイユちっくです)、マイナーはマルセイユと同様に数札、でも8が Justice(カードの名前は実際にはイタリア語で書かれてます)で11が Strength とマルセイユのほうの並べ方です。
生命の木のパスはトートと同じで The Emperor と The Star が入れ替わっていますが、ヘブル文字の当て方は Oswald Wirth と同じ大陸系(フランス式)で The Magician から順に文字を当てていくので、GD系やトートとはほとんど1つずつ文字がずれてます(^_^;
そもそも Crowley が The Emperor と The Star の対応するパスを入れ替えたのは、「ツァダイは星にあらず」と守護天使のお告げがあったため、て話が根っこにあるのですが、完璧無視してますね(笑)
(大陸の結社系のデッキおよびこのデッキでは The Fool にはシンが当てられているので、ヘブル文字からみると The Fool が The World の前に置かれるように思えるし実際このデッキではそう並べてます。これは Levi のときからの考え方だそうですが、Wirth の本には、メジャーアルカナを円環状に並べて The World から The Fool を経て The Magician に戻るように書かれているので、Wirth は文字だけが入れ替わっていると考えてたのかも。というか、ヘブル文字の順序よりは、字形とメジャーアルカナの絵の形の類似性を重視してるみたい。以上余談。)
さらに、占星術的対応は、Papus のを採用しているようです(^◇^;
そんなわけで、サイズはオーソドックスな縦長のデッキですが、何がしかの伝統的なデッキに慣れていると、実占に使うのは難しいと思われます。
製作者本人のカリグラフィーによる凝りに凝ったデザインの解説(英語)が付いてますので、しっかり読めば何とかなるかもしれませんが、文字がかなり読みづらいです(^◇^;
※追記
私はフランス式のデッキについてはあまり詳しくないのですが、ちょっと調べてみたところ、このデッキはカードの並べ方と占星術対応とヘブル文字に関してフランス式になっている、と考えてよいようですね。Wirth の占星術対応が特殊なようです。
それでもあのパスは妙だと思いますが(笑)
メジャーアルカナの絵柄もだいたい大陸系に沿っているようですが The Fool はライダーっぽかったりいろいろ折衷になってる気がします。
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